大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和31年(あ)1898号 決定

本籍並びに住居

鹿児島県日置郡東市来町養母一二、一九八番地

農業

福田有吉

明治二六年五月一三日生

本籍並びに住居

同県串木野市下名九、〇一七番地

漁業

岡田清

明治二八年一月二日生

本籍

同県日置郡東市来町湯田四、三五〇番地

住居

同所三、一二二番地

履物雑貨商

北村光雄

大正二年一一月八日生

本籍並びに住居

同所五、一〇五番地

農業

新川佐吉

明治三八年一〇月九日生

本籍並びに住居

同県同郡同町伊作田二、四四〇番地

農業

早迫末広

明治三三年一二月一日生

本籍並びに住居

同県同郡永吉村三、七九五番地

農業

田渕武吉

明治二八年九月二日生

本籍並びに住居

同村四、一八〇番地

農業

中園一

明治三九年九月二五日生

本籍

同県同郡吉利村七九九番地

住居

大阪府貝塚市近木九五九ノ一 明治交通株式会社内

会社員

山下悟

昭和三年一一月二四日生

本籍

鹿児島県日置郡吉利村四、三六一番地

住居

山口県岩国市今津 帝人寄宿舎内

会社員

蜂須賀正則

昭和五年一月八日生

本籍

鹿児島県日置郡伊作町中原三、五八五番地

住居

同所二、四七五番地

旅館営業

野元辰次

明治二七年九月二三日生

本籍

同県同郡東市来町伊作田四、八九九番地

住居

同県同郡伊作町入来三、五八六番地

瓦製造業

福山信吉

明治三一年九月八日生

本籍

同県同郡吉利村八九二番地

住居

東京都千代田区神田二丁目一三番地 弘和繊維株式会社内

会社員

武石清信

昭和三年七月二日生

本籍

鹿児島県日置郡永吉村六、九一六番地

住居

同所三、三〇二番地

農業

海江田辰美

明治三八年一二月二〇日生

右に対する公職選挙法違反各被告事件について、昭和三一年三月三〇日福岡高等裁判所宮崎支部の言渡した判決に対し各被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人等の弁護人後藤英橘の上告趣意は違憲をいう点もあるが、その実質は事実誤認、単なる法令違反の主張を出でないものであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(論旨の中、原判決が被告人北村、同新川、同早迫について、起訴されていない戸別訪問、物品供与、事前運動の罪に関し審判していると主張する点は、原判決は右三名につき上記の罪につき何ら審判していないことは判文により明瞭であつて、所論は原判示を誤解するものであり、また、原判決の判断遺脱をいう点は、所論買収の事実は起訴されていないのであるから、右買収の事実の有無は、本件受供与罪の成否には関係のない事柄であつて、所論はいずれも採るを得ない。なお、所論は事前の選挙運動を禁止している公職選挙法一二九条の適用を非難するが、原審の是認した第一審判決は「当時世上一般は、報道機関や世評あるいはいわゆる政界人の動き等を通じ極めて近い将来に衆議院が解散され総選挙が行われることを予想していた時期であつた」ことを認めて、被告人福田、同田渕、同山下、同武石、同海江田の本件犯行を事前の選挙運動に該当すると判示しているのであつて、右判断はこれを是認することができる。)

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例